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生きる力を取り戻す刺激的な『三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller』

2011年06月14日

奇抜でカラフルな外観、でこぼこで斜めになっている床、風船に窓と入り口を付けたような部屋、視線を移すたびに飛び込んでくる色とりどりの壁の色。
それが東京都三鷹市の住宅地にある建築家・芸術家・荒川修作+マドリン・ギンズさんの造った『三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller』。

一体どんなもの?なんなの?
その謎を探ろうと、5月29日に開催されたオープンルームに行ってきました。

幹線道路沿いに建っているこの住宅は、近くにマクドナルドのような派手な建物があるせいか、想像していたほどの違和感はありません。よく幼稚園と間違われるようですが、確かに外観はそんな感じ。

9戸の集合住宅のうち、入居しているのが4戸、事務所が3戸、残りの2戸はショートステイ用。
部屋は、キッチン、トイレとシャワーブースのほか、2部屋と3部屋の2種類のタイプがあります。
今回はそのすべてを見学させてもらうことができました。

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室内に入ってみると、まず赤や黄色や緑といった鮮やかな原色が目に飛び込んできます。
さらにデコボコの床にもびっくり。
事前に写真を見て知っていたことだけれど、実際に住宅に入り、体感することで急に目の前の空間が現実味を帯びてきました。

キッチンは部屋の真ん中、玄関から入ってすぐのところにあります。
一段下がったところにあるので、キッチン内にいる人が下のほうに見え、普段と目線が違って何だか不思議な感じ。
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風船を壁に埋め込んで入り口と窓を付けたような部屋もありました。
普通に立っているのが難しいのは底の部分が丸いから。
子供たちが楽しそうに壁をよじ登ったり転がったりしている写真を見たのですが、大人にはちょっと厳しいかもしれませんね。

でもどう使うかを考えるのは楽しそう。あるお宅では底にクッションを敷き詰めてテレビを置き、シアタールームのようにしていました。
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風船のような部屋


ドアがないトイレにも驚かされました。
手前のシャワーブースの奥に隠れるように配置されているから、室内から見えるということはないのですが、人がいるときに使うのは勇気がいりそう。でも、これも慣れてしまえば気にならないのかもしれません。

3部屋タイプには、普通の四角い部屋に和室もついています。
デコボコの床を歩いた後は、平らな床がこんなにもラクなのかと妙に感激しました。
これも、普段の生活が平らな床だということに慣れているからでしょうね。

無数のフックが付いている天井はまさに頭の使いどころ。
かなりの重量に耐えられるように作ってあるので、いろんなものを吊るすことが可能です。
ある家では、ハンモックやブランコなども吊るされていました。
また、キャンドルホルダーや鍋などをディスプレイして、すてきなインテリアにしているところもあり、まさに使い方は自由自在。はしごや上り棒?もありました。


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一般的な住宅に住んでいる者からみると、ここで実際に生活するということは、なかなか想像しにくいかもしれません。
たとえばデコボコの床の掃除や、物の収納にもいろいろと工夫が必要で、かなり柔軟な発想が求められるでしょう。

ところが住んでいるみなさんは、実に生き生きと楽しそうに暮らしています。
物がたくさんある家もあれば、必要以上の物は全く持たず、すっきりと暮らしている家もありました。
それぞれ部屋の使い方は、住む人によってそれぞれ違い、その違いがとても興味深かったです。

“ここを選んだという理由”がキッカケで他の住民と話しをするようになったり、面白い部屋を見に友達が遊びに来てくれるようになったりと、人との交流も盛ん。確かに話題には事欠かない家ですものね。


目からだけでなく体が受けるさまざまな刺激が、普段は使わない体のどこかに働きかけているよう。しばらくするとこの家にいることが心地よくなってきました。
室内が胎内を思わせるような丸く包み込む形というのも居心地がいい理由かもしれません。
帰る頃には何だかすっかり気分もリフレッシュされていました。
 
この日もらったパンフレットには、「この住宅はヘレン・ケラーが身体を使い、自然と環境・人間の関係を知ったように、あなたの持つ大いなる希望を見つけ、生命の無限の力を体験できる全く新しい住宅であり、命の器なのです」と書かれていました。

『三鷹天命反転住宅 In Memory of  Helen keller』は、ただの住宅ではなく、空間を体験することによって初めて理解することのできる芸術作品だと思いました。

実際、住民はアート関係の仕事をしている人が多いのですが、ここに住むにはそれなりの強い思いが必要だと思います。

でもショートステイ用に2部屋あるので、1週間くらいこんな部屋で過ごしてみるのもいいですね。
芸術に触れるということは人間誰でも必要なもの。混沌として疲れ切った今の時代。自分自身を感じることで、生きる力を取り戻したいものです。

『三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー』ホームページ
http://www.architectural-body.com/mitaka/

荒川修作
http://ja.wikipedia.org/wiki/荒川修作

(瀬川尚子)

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