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「もてなされた幸せ」を感じる「もてなす悦び展」

2011年07月08日

「三菱一号館美術館コレクション<Ⅰ>もてなす悦び―ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」展が8/21(日)まで東京・丸の内で開催されています。

「ジャポニスム」とは、19世紀後半に欧米で見られた“日本趣味”、“日本美術心酔”のこと。当時、欧米各地で催されていた万国博覧会などがきっかけで日本の美術工芸品への関心が急速に高まりました。
また新興富裕層を中心に日本からの輸出品を買い求める人が増え、“和”のエッセンスを取り入れた美術工芸品の数々が欧米で作られるようになったのです。

この展覧会では、米国在住の美術収集家ミヨコ&ジョン・デイヴィー夫妻からの寄贈品を中心にジャポニスムのテーブルウェア(食器・カトラリーなど)など約240点が並んでいます。

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◎当時の日本の顔は“あさがお”
やさしいペールブルー、エレガントなピンク、深みのあるグリーンのガラス器は、いずれも“あさがお”がモチーフ。
19世紀の日本ではあさがお栽培が大流行。その影響で欧米ではあさがおが日本を想起させる花だったようです。
ひとつのモチーフが、バリエーション豊かに表現されているのが印象的でした。

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【写真:上・中・下ティファニー・スタジオ/ルイス・コンフォート・ティファニー《朝顔形鉢》1880年代、ガラス[アメリカ]】

◎お茶会を華麗に彩る“ジャポニスムのうつわ”たち
18世紀初頭にヨーロッパに渡った古伊万里を模して英国で作られた皿や、鉢、ティーセットなど、和柄の洋食器は今でこそ珍しくないけれど当時の伊万里の職人さんが見たら、“西洋から見た和の世界”にびっくりすることでしょう。

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【写真:ロイヤル・ウースター社《伊万里写ティーセット》1881年、磁器[フランス]】

19世紀後半、中産階級に広く普及したお茶会=アフタヌーン・ティー。
そのシーンが再現されている部屋には、大きなテーブルにシックなクロスが掛けられ“ジャポニスムのうつわ”をコーディネートされていました。

壁面のパネルには当時の料理が紹介されています。
あたかも今からお茶会が始まるような、そこに自分が招かれているような、心地よい錯覚を覚えます。これこそまさにもてなされている気分ですね。

さらにディナーセットと見間違うほどのあでやかな食器、ランプ、キャンドルスタンド、花瓶など。その豪華さから当時の生活の豊かさ、室内での社交がいかに重要であったかが伝わってきます。
ちなみにテーブルコーディネートは、ミヨコ・デイヴィー夫人の友人・青木かず子さんがされたそう。

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【写真:セーヴル窯《竹に透かし彫ティーセット》1862-76年、磁器[フランス]】

特に目を奪われたのは、横にズラリと並べて展示されている全てデザインの違うティーカップ28客。
もし当時のお茶会に招かれて「お好きなカップで召し上がれ」と言われたら、一つだけ選ぶことがができない私は28杯飲まなければなりません。
このカップたちを、ある“角度”からみると、ちょっと面白い見え方がします。その“角度”をぜひ発見してみてくださいね。

また、お茶会のホスト役である女主人のみに着ることが許されるティー・ガウンは、イブニングドレスのような刺繍などディテールの凝ったもの。こちらもお見逃しなく。

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◎銀器に溶け込む日本の情景
色鮮やかなものばかりではありません。
ティファニー商会やゴーハム社の銀器は、欧米人が手がけたとは思えないほど日本の自然が情緒豊かに表現されています。

モチーフも蜻蛉(トンボ)、水辺の生物、植物などの珍しいものばかり。
「古池やかわず飛こむ水の音」と芭蕉の句が日本語で彫り込まれた花瓶は、ジャポニスムをこよなく愛した人々には、たまらない一品でしょう。

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【写真:ゴーハム社《芭蕉句入花瓶「古池やかわず飛び込む水の音」》1897年、銀[イギリス]】

さらにジャポニスムが浸透するにつれ発達した量産技術品なども。
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【写真:ミントン社《日本文物文皿》1882年、磁器[イギリス]】

ところで……。これほどの贅を尽くしたテーブルウェアの数々。
それを手に入れることができたミヨコ&ジョン・デイヴィー夫妻ってどんな人?と気になりませんか?
夫妻の職業は投資家。夫妻が1980年代に19世紀の歴史的建造物へ転居するときに、住まいに合わせた調度品を揃えたい、というところからこのコレクションが始まったそうです。
実際の購入にあたっては、クリスティーズやサザビーズなどの一流オークションやディーラーを利用するとのこと。
価値の下調べ、購入のタイミング、価格交渉術などオークションで“獲物”を落とすまでの過程が展覧会図録に掲載されていたのですが、さすがトレーディングで財を成したご夫妻! と思わせる入念なものでした。
金融においても美術収集においても、素晴らしい才能を発揮されていて羨ましい限り。

展覧会を見終えた後もお楽しみは続きます。

緑豊かな中庭やオープンカフェでお茶を飲んだり同じ敷地内にある「丸の内ブリックスクエア」で食事もOK。
日本初上陸、スペイン王室御用達のショコラテリア「カカオ サンパカ」で、優雅なマダム気分で高級チョコレートを買い求めたくなるかもしれませんね。
ちなみに、美しい世界に触発された私は、ブリックスクエア内のショップで、アンティーク風の指輪を購入してしまいましたよ。

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暮らしとは美しくあること。華やかなガウンに身を包み豪華な食器や調度品、美味しい紅茶や焼き菓子でゲストをもてなす悦び。
ゲストもまた悦び、今度は自分のお茶会に招待する。
きっとそのように人と人とが交流を深めていったのでしょう。

当時のお茶会の風景の思いを馳せ、「もてなす悦び展」に「もてなされた幸せ」を感じました。この展覧会には時間の余裕があるときに行くことをオススメします。


【開催期間】8/21(日)まで
※開館時間は夏場の電力不足対応として変更の可能性あり。事前に確認が必要
【開催場所】三菱一号館美術館
【展覧会ウェブサイト】http://mimt.jp/omotenashi/

◎この展覧会のチケットを、5組10枚プレゼントします。
【応募方法】メールでlets@sankeiliving.co.jpへ。
メールの件名はもてなす悦び展チケット希望と明記
メール本文には郵便番号、住所、氏名、電話番号、性別、年齢、職業を明記のこと
【応募締め切り】7/19(火)23:00
応募者多数の場合は抽選。当選の発表はチケットの発送を持ってかえさせていただきます
※応募者の個人情報は、当選通知の発送のみに使用します
                       (鷲見由生子)

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