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二階堂ふみを語るのに欠かせない代表作!?~映画『私の男』

2014年06月10日

『私の男』は30~40代女性に人気のある桜庭一樹が第138回直木賞を受賞したベストセラー。流氷の上でのシーンがあり、映像化不可能と言われていましたが、熊切和嘉監督が浅野忠信と二階堂ふみ主演で、ついに映画化しました。


©2014「私の男」製作委員会

STORY
奥尻島を襲った大地震による津波で孤児となった10歳の少女・花(山田望叶)は、遠縁の男・淳悟(浅野忠信)に引き取られます。ともに孤独な2人は北海道紋別の平穏な田舎町で寄り添うように暮らしていました。

やがて淳悟と高校生になった花(二階堂ふみ)は心だけでなく、体も寄せ合うようになりますが、それに気づいた地元の名士である大塩(藤竜也)が花を淳悟から引き離そうとします。

旭川の親戚の家で暮らすよう説得する大塩から逃げるように、花は流氷の広がる海に向かい、追いかけてきた大塩に淳悟への思いを叫びます。

その後、流氷の上で凍死した大塩が発見されました。そのニュースを聞いた2人は、町を後にします。

互いに深い喪失と、2人だけの秘密をかかえ、東京に移り住んだ二人が待ち受けるものとは―。


求め合い、ねっとりと絡み合う2人


©2014「私の男」製作委員会

親子として暮らす2人は、いつの間にか心と体の両方で求め合うようになりました。海上保安庁で働く淳悟が泊まりの勤務から戻り、寂しさを埋めあうように抱き合うシーンでは、2人がねっとりと絡み合います。

お互いがむさぼり合っているのですが、映像的に美しいため不思議と肉欲的ではなく、いやらしさはありません。
孤独な2つの魂が共鳴し合っているよう見えました。花の思いの激しさは、花が大塩に叫んだ「何したって、あれは私の全部だ」という台詞にも表れていて、「もし、この子と男を取り合うことになったら負ける」と体がぞわぞわしてくるのを感じました。

二階堂ふみが18歳になるのを待ってクランクインしたそうですが、この若さで気持ちの奥深くにある情念まで演じられるのは、この人しかいなかったと思います。

女の子から大人の女を演じる女優へ


©2014「私の男」製作委員会

私は以前から二階堂ふみが女優として好きです。初めて見たのは、山田孝之主演の映画『指輪をはめたい』。まったく雰囲気の違う2人の女性を演じ分け、山田孝之の相手役だった3人の女優よりも強い印象が私の中に残りました。

以来、出演映画は欠かさず見るようにしていますが、型にはまらず、いろんな役を演じています。どこにでもいる普通の女の子を周りに埋没させずに演じ、エキセントリックな役でも「もしかしたらこんな子いるかもしれない」と思わせるのは、二階堂ふみの演技力があってこそ。私が彼女に惹かれて「映画を観たい」と思う理由もここにあります。


二階堂ふみはこれまで数々の女の子を演じてきました。今回の映画で演じた“東京で大人になってからの花”で女へと脱皮。つかみきれない妖艶さを感じます。

二階堂ふみ自身が「私の運命の作品」と言っていますが、彼女にとってエポック的作品だったのでしょう。私にとっても、ずっと記憶に残る作品になりました。

二階堂ふみの新しい可能性をぜひ、映画館でご覧ください。

『私の男』
6月14日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
出演:浅野忠信 二階堂ふみ モロ師岡 河井青葉 山田望叶 高良健吾 藤 竜也
©2014「私の男」製作委員会
公式サイト:http://watashi-no-otoko.com/
(堀木三紀)


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