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韓国人女性が耐えた悪夢の実話を映画化『マルティニークからの祈り』

2014年08月28日

映画『マルティニークからの祈り』は、身に覚えのない麻薬密輸容疑で捕まり、カリブ海にあるフランス領の島・マルティニークの刑務所に収容された平凡な主婦ジョンヨン(チョン・ドヨン)が、愛する家族のもとへ帰るために闘った765日間が描かれています。

聴覚障がい者施設での凄惨な児童虐待の実態を描いて、全世界を戦慄させた映画『トガニ 幼き瞳の告発』に続く衝撃の実話の映画化。8月29日(金)から TOHOシネマズ シャンテ他、全国順次ロードショーされます。

STORY


©2013 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

ジョンヨンは愛らしい娘とちょっと頼りないけれど優しい夫・ジョンべ(コ・ス)と決して裕福ではないけれど幸せな毎日を送っていたのですが、ジョンベが自殺した友人の借金の保証人になっていたために、家族は困窮に陥ります。

別の友人が持ちかけた「金の原石をフランスに運ぶ」という仕事をジョンヨンは怪しみ、ジョンべが引き受けるのを反対したものの、お金のためにジョンヨン自身が夫に内緒で引き受けてしまいました。

到着したフランス・オルリー空港で、荷物の中身は金の原石ではなく、大量のコカインだったことが発覚。ジョンヨンは麻薬の不法所持で逮捕されてしまいますが、助けを求めた韓国大使館の対応は冷たくずさんでした。

収監から3カ月後、ジョンヨンはフランス本国からカリブ海のマルティニーク島にある刑務所へ移送。サディスティックな看守や乱暴な囚人たちのいる刑務所での暮らしは辛いものでしたが、時折届くジョンベからの手紙や娘ヘリンの写真を支えに生き延びていました。

ところが裁判のための大切書類を韓国大使館はずさんな管理で廃棄。1年以上経っても裁判が受けられず、ジョンヨンは心身ともにボロボロになります。

韓国で1人奔走するジョンべを助けようと友人がジョンヨンのことをネットに書き込み、それをきっかけにテレビで取り上げられました。その反響は大きく、ネットユーザーが動き、徐々に事態は好転していきます…。


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チョン・ドヨンとコ・ス 豪華キャスティング

負の感情を不安や苛立ち、怒り、絶望と変化させながら、絶えず激しく噴出させるのは、かなりエネルギーを消耗したはず。

韓国にいたときはふっくらしていたチョン・ドヨンの頬は映画が進むにつれてどんどんこけて、やつれていきましたが、「不慣れな場所で言葉の通じない現地の俳優と演技する負担は大きかったものの、ジョンヨンの絶望を表すのに役に立った」と話すチョン・ドヨン。さすが女優。この映画はチョン・ドヨンなくして成り立たなかったかもしれません。

事件の中心はジョンヨンですが、ジョンヨンを助けることができずに苦しむジョンべも並行して描かれています。事件が起きる前のジョンべは優柔不断で、多額の借金も「オレが全部ちゃんとするから」とジョンヨンに虚勢を張るものの何もできません。

端正な顔立ちのコ・スが演じているにもかかわらず、情けない男に見えましたが、ジョンヨンを助けるために奮闘していくうち、少しずつ変わっていきます。

獄中のジョンヨンからの「下着を送ってほしい」という連絡を受けたジョンベ。探し出した下着は使い古されてくたびれていました。「自分はこんな下着を妻にはかせていたのか」と思ったのでしょうか、ジョンべの悲しげな表情が忘れられません。「見つからなかった」とウソをついて新しい下着を送ったことにジョンヨンへの愛を感じました。

ジョンヨンとジョンべのお互いを想う気持ちが激しいほどに伝わってきますが、電話や手紙で感情を交わすばかりで、実際に2人が共演しているシーンはあまり多くありません。俳優にとって受け手がいないところで演じるのは難しいはず。今回はお互いの撮影シーンをモニタリングしながら呼吸を合わせていったそうです。

映画が伝えるのは事件ではなく、家族との生活の大切さ


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監督のパン・ウンジンは「家族が心を楽にして思うままに笑って暖かい家を持つということがどれほど大切で貴重なことなのか、この映画を通じて描き出したかった」と言っています。

夫と娘の食事を作り、掃除や洗濯をする生活。当たり前すぎて、「家族は私に自分の都合ばかり押し付けてくる」と愚痴のきっかけになることもありました。

私のそばで劇的な事件が起こることはほとんどないとは思いますが、人生は予想もしなかったことをきっかけにどん底に落ちることもあります。当たり前の生活こそ大切にする気持ちを忘れずに持ち続けたい、と感じました。


『マルティニークからの祈り』
http://martinique-movie.com/
監督: パン・ウンジン
脚本:ユン・ジンホ
出演:チョン・ドヨン、コ・ス、カン・ジウ
配給:CJ Entertainment Japan
©2013 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
(堀木三紀)

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