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今昔、日韓超えた愛を描く映画2選

2014年12月11日

韓国は羽田から2時間半、福岡からなら1時間ほどで行ける隣の国。
今回はこの2つの国で愛し合う人たちを描いた映画を2本ご紹介します。

時間が行き来する中で主人公の思いが浮かび上がる 映画『自由が丘で』


(C)2014 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

恋愛映画の鬼才としてヨーロッパで人気、“韓国のゴダール”と絶賛されるホン・サンス監督。
その監督のファンを公言する加瀬亮。

2人のコラボレーションに監督の常連俳優たちが脇を固め、まるでフランス映画のように軽やかなこの作品は、「耐える」「悲恋」といった私の韓国の恋愛映画のイメージを覆しています。


(C)2014 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

主人公モリ(加瀬亮)は思いをよせる年上の韓国人女性クォン(ソ・ヨンファ)に会いたくてソウルへ。

クォンを探してソウルの街を行ったり来たり。

同じゲストハウスに泊まっているアメリカ帰りのサンウォン(キム・ウィソン)とお酒を飲んで意気投合したり、カフェ「自由が丘」オーナーのヨンソン(ムン・ソリ)とは迷子犬をみつけたことで急接近と知り合いが増えていきますが、クォンはなかなか見つかりません。

この作品、描かれるエピソードの時間が前後しています。
モリがクォンに宛てた滞在中の日記のような手紙を、彼女が受け取って読むところから始まるのですが、1枚目を読んだ後で手紙を階段に落としてしまい、1枚1枚拾って順番がバラバラになったまま手紙を読む形でストーリーは展開するのです。

そんな時間のずれを最初は「あれっ」と思いますが、すぐに馴染めました。

“おばさん”の会話&思考と似ているのです。

誰かに何かを伝えたいと思ったとき、強く思うことから話始めてしてしまい、後から遡って発端を説明するような感じ。

クォンが手紙を読むシーンもはさみ込まれているので、モリは彼女とすれ違ったまま、ヨンソンとくっつくのかな、などと想像は膨らみます。

淡々と過ぎていく時間の中で繰り広げられる何気ない主人公たちの会話は、見ている私もその中に加わっているような気持ちになりました。
モリはクォンを見つけられたのか、ラストは映画館でどうぞ。

『自由が丘で』
12月13日(土)シネマート新宿ほかにて全国順次公開
監督・脚本:ホン・サンス
出演:加瀬亮、ムン・ソリ、ソ・ヨンファ、キム・ウィソン
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/jiyugaoka/

愛する2人を国が引き裂く 映画『ふたつの祖国、ひとつの愛-イ・ジュンソプの妻-』


© 2013天空/アジア映画社/太秦

韓国の国民的画家として愛されている故イ・ジュンソプ(李仲燮)とその妻、山本方子(まさこ)の実話を紹介するドキュメンタリー映画です。

2人の出会いは第二次世界大戦中・東京の美術学校。

展覧会を機に一時帰国したジョンソプは戦況の悪化で東京に戻れなくなり、方子がソウルへ。
ジョンソプの故郷、元山で結婚しました。

国の違い、民族の違いを乗り越えて愛し合い、共に生きることを願った二人でしたが、朝鮮戦争が勃発し家族で南へと避難しましたが、貧しい生活で方子は体調を崩し、子どもを連れて日本に帰国。日本と韓国の地で離れ離れの生活が始まります。

彼は家族に宛てて毎日のように手紙を書き、自分の絵を添えました。その数200通。絵に添えられた「長いポポをおうけとりください」という一言を見た次男が「ポポは何?」と尋ねると「キッスのことよ」と方子はうれしそうに答えます。彼女が今でも変わらずに夫を愛していることを感じるシーンです。

イ・ジュンソプは家族とともに暮らしたいと願っていましたが、当時、韓国と日本の間には国交がなく、願いが叶わないまま39歳の若さで夭逝してしまいます。

夫を亡くしたとき34歳だった方子は日本で2人の子供を育て上げ、92歳になった現在は東京の世田谷で暮らしています。

映画は彼女がイ・ジュンソプの絵の前で車椅子に座り、じっと見つめている後姿で終わりますが、私には彼女が夫と会話しているように見えました。

© 2013天空/アジア映画社/太秦

国交がないということを歴史的事実としては知っていましたが、普通の人にとってそれが何を意味するのか、この映画を観て初めてわかった気がします。国を超えて愛し合う自由を再び失うことがあってはならないと思いました。

『ふたつの祖国、ひとつの愛-イ・ジュンソプの妻-』
12月13日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開!
監督:酒井充子 
出演:山本方子、山本泰成、キム・インホ、ぺク・ヨンス 他
© 2013天空/アジア映画社/太秦
公式サイト:www.u-picc.com/Joongseopswife

(堀木三紀)

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