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映画「千年の一滴 だし・しょうゆ」に日本食の歴史と誇りを知る

2017年04月21日

こんにちは、18期の田中ゆきこです。

今年は春の便りが遅い八ヶ岳。我が家周辺は桜の便りにももう一歩といった感じです。

先日近くのお寺で上映会があったので足を運んでみました。

 上映作品は「千年の一滴 だし・しょうゆ」(2014/100分/監督 柴田昌平)

 これは2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたのを記念して、日本とフランスが共同で作成したドキュメンタリー映画です。

 2014年の公開から数年が経つ今でも各地で上映会が開かれ静かに評判を呼んでいると聞き、ぜひ見たいと思っていました。用意された席は上映時間までにほぼ埋まり、期待の高さが伺えます。

 この映画は二部構成で、第1章は「だし」、第2章は「しょうゆ」にスポットを当てています。

 壮大な自然風景と四季の移ろいを織り交ぜた映像とナレーションによって構成されていて、シンプルながらも非常に見応えのある映画でした。


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 第1章は「だし」。仏教伝来により肉食を禁じられた日本人が、食事の中で旨みを獲得しようと試行錯誤した結果たどり着いたのが「だし」です。

 だしをひく代表的な食材といえば昆布、鰹節、椎茸。冷たい北の海で波にもまれ育つ昆布、遠く南の海で生まれた鰹、森の中でひっそりと育つ椎茸。

 こうした自然の恵みを人の伝統的な知恵と技術とで食材に作り上げていく過程がみずみずしく描かれています。

 ここで印象深いのは自然の恵みを採り尽くさず後世につなげていく先人たちの知恵と、それを受け継ぐ現在の職人たちの奥ゆかしさ。自然に寄り添い、何百年もの間日本の食文化の礎を支え守ってきた人たちの偉大さに胸が熱くなりました。

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第2章は「しょうゆ」。
 この章ではしょうゆの製造に欠かせないものとして「麹菌」にクローズアップしています。

「麹菌」学名アスペルギルス・オリザはカビの一種で日本にしか存在しません。

 米につけば酒やみりんに、大豆につけばしょうゆにと、日本人の食文化に欠かせないものです。

 オリザはなぜ日本にしか存在しないのか。
 目には見えないこの相棒を先祖たちはどうやって発見したのか。

 その正体と歴史をしょうゆ製造の過程と合わせて紐解くことになりますが、この映像がまた職人の静かな情熱とリンクしていて素晴らしいのです。

 職人は多くを語りませんが、麹菌を育てることにかける熱がスクリーンから痛いほどに伝わってきます。

 無駄なものをそぎ落としたシンプルな映画でした。しかしなんとおなかのすくことでしょう。

 映画を見てこれほど空腹を感じたことは未だかつてありません。

 黄金のだしの輝きや樽からほとばしるしょうゆのしずくを見て湧き上がる感情は、日本人であることの誇りなのかもしれません。

 この映像を見ていておなかのすく私は紛れもなく「日本人」なのだと実感しました。

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 ドイツやフランスなどでも評価の高い映画だといいます。

 日本の食や文化が海外で認められることは嬉しいことですが、これらを残していくためにはやはり私たちがその価値を再確認しなくてはならないでしょう。

 日本人にこそ見てもらいたい映画です。

 この上映会。うれしいことに映画の終了後には、昆布と椎茸からだしをひいたお味噌汁がふるまわれます。

 みなさんおにぎりを持参で、心もおなかも満たされて帰路につきました。

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「千年の一滴 だし・しょうゆ」の今後の上映情報はこちらから
http://www.asia-documentary.com/dashi_shoyu/joei.html


                               (18期 田中ゆきこ)

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