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光が天上に導いてくれる階段の家 ―下町に内からも外からもなじんでいる一軒家を拝見

2019年05月17日

葛飾区の金町駅(JR常磐線・京成線)からほど近い住宅街にある、10坪の土地いっぱいに建つ黒い軍艦巻のような家が今日、目指すH家である。


10坪を選んで建てられた家にはどんな空間が広がっているのだろうというのが今回の訪問理由。

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ドアを開けると目の前はいきなり木枠の本棚と靴置きになっている。
壁は艶のあるグレーのコンクリートパネルが貼られていて、あまり日が射し込まない玄関で鈍い光を放っている。

三和土(たたき)で靴を脱ぎ、玄関入って右手の、やや急な階段を上がる。

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木の階段を下から見上げれば、優しい光が。1階とはうって変わって白い壁に木枠で縦長に切られた窓から差し込む外の光がまぶしい。

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階段を上ると脇は木の壁から格子組みに代わり、その隙間から、台所兼ダイニングに一枚板のテーブルがでんと構えているのが見える。

3階に続く階段の上にもまた縦長の窓が配置され、柔らかい光がスケルトンの階段の隙間から、1階の階段まで差し込む構造になっている。

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ダイニングは大きく窓が切られ、道を隔てたお寺のけやきの緑が襖絵のようでもある。

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3階への階段を上りきったところで折り返すように白い棚が階段状に積まれ、その上はロフトになっている。
Hさんの趣味の釣り竿の収納場所だ。

ロフトの壁にも大きな窓が張られ、光に導かれるままに階段を上って行ったら天上の階にたどり着いたような感覚にとらわれる(私にはこのロフトへの階段は怖くて上れないが)。

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「緑がほしかったから、この家、角を直角にしていないんです」と奥さん。

土地いっぱいに建てられているようだが、通常なら直角になる家の角の土地が三角に切りとられてわずかながらも木や花が植えられている。

梢は上の階にまで達して窓の外にそよぐ。

金町は昔ながらの下町の商店街と新しいマンションが融合する町である。

H邸も現代的ではあるが緑に囲まれ、窓を額縁に隣のお寺の景色もちょっと拝借してしまう。
そんな近所の景色とも自然になじんだ家になっている。

設計者は、以前は傾斜地を活かした住宅を設計したことも。
土地の特徴をプラスに働かせる建物を得意としている。

今回は前作の傾斜地の家にお邪魔した縁で、新築した住宅も見学させていただいた。

*通常非公開(個人宅)。お問い合わせは島村香子建築設計室
http://shima-arch.com/まで。

(21期 池田雪子)

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