(桃的男面子)
入学式
引越し直後のドタバタは書かないけれど、新しい地に来て3日後のパルの入学式では、流石に能天気坊主の彼も緊張の面持ち。
そんなパルの頬が一瞬緩んだのは、卒園した園からの長い電報が読まれたとき。
たった一人のために、私たちにしか解らない情景をおりまぜての祝電。
「パル君、入学おめでとうございます。お砂場の銀杏のようにまっすぐで、みのりの多い立派な小学生になってください…」
その瞬間、園庭の大きな銀杏の木が目に浮かぶ。
夏には日陰を作り、秋にはお砂場が葉っぱ場になる位、季節を知らせてくれたっけ。
その日の入学式の写真のどこを探してもパルの笑顔は見当たらないし、入学式終了後、父兄と写るクラス写真には、やはり笑顔ゼロのジャイがいる。
パルのことが心配で入学式にまで参加して、いつの間にか父親たちに混じっていたジャイ。
口を真一文字に閉じてカメラを睨みつけている。
パルに「がんばれよ」って何度も言っていたのは、多少気にはなっていたけど、その二日後に控えた中学の入学式が怖かったんだよね。
自分に対しての言葉でもあったんだね。
私には彼を気遣う心の余裕はまったくなかったけれど。
二日後のジャイの入学式、2クラスの子供たちは全員同じ小学校(パルが入学した学校)の卒業生。
クラスの集合写真では、ジャイの周りだけ微妙に距離があいている。
目線をクラスメイトたちに送りまくるジャイを見て、「アレ?もしかしたらジャイは今努力してるのでは?」とその時初めて感じた私は、ものすごく鈍感母でした…
高校生ジャイたちのその後
クラスの女の子が天国に召されて、その日から3日間ジャイは夜の外出を続けた。
中学の友達と公園でたむろする日々。
パルが「お兄ちゃんだめだよね」と言っても「お母さん、今は仕方ないと思ってるよ」と答えられる余裕を持つことはできたけど、3日後の夜、彼から「あいつら(中学の友達)に「ゴメン。ジャイがいくら語っても俺らその子の事知らないから正直そんなに悲しくないんだよね。」って言われた…と、話された。
彼らにに救いを求めたジャイ。
受け止めようとしたけど、辛くなってしまった中学の友達。
それは仕方のないことなのに、その日から家族にべったり。
どんなに小言を言っても私の傍にいるし、パルをからかったりして時間をやり過ごしている。
見た目「チャラ夫」のジャイとその友人、何も考えてないように見えるのに、みんなも家族とTDLに行ったり、食事に行ったり家庭回帰しているらしい。
忘れてはいけないことだけれど、みんな立ち直って欲しい。
泣きたいときは思い切り泣けばいいのに!と思うのは私が女だから?
