どうしても、生理的に受け付けられない人がいる。
彼女の姿をみると嫌悪感さえ覚えてしまう…。
しかし、今朝も彼女はバス停に現れた。
身長は165CMくらい。
いやもう少しあるかも…スラッとした細身で、茶色く染めた髪は胸あたりまで。
エクステを施した長い睫毛。
きれいにマニキュアが塗られた指…。
だけど、だけどなのである。
彼女はセンスが異様に悪いのだ!!
今日の出で立ちはピンストライプのパンツにスニーカー、白いシャツ…
ここまでは一昔前のNYのキャリアウーマン風。
でも、その上に着ているコートは茶色のショート丈。
しかも、ヒラヒラのレースで縁取られ、ボタンはでっかいパール。
超ラブリー。
センスの問題は別にしても…
毛玉がいっぱいついていて、ヨレヨレ。
─きっと脱ぎっぱなしで無造作に置いておいたのだろう。
そして片手にはキティちゃんの使い古した紙袋。
中にはパンパンに入った書類と箱(?)。
仕事を家に持ち帰ったのだろうか…????
いやいや、決してそんなタイプには見えない。
肩にはこれたまサンリオキャラクターのシナモンの黒いスポーツバック。
若くても20代後半のはずなのにだ。
…きっと彼女は無頓着なのだろう。
バスに乗れば引っ切りなしに携帯を打つか、顔を思い切り近付けて漫画本を読んでいる。
しかし、彼氏には不自由してないようだ。
入れ代わり立ち代わり、変わりはするが…。
お泊りしましたといわんばかりに二人でバス停に現れる。
─そんな時も彼女の身なりはヨレヨレ。
彼氏の方は普通にきちんとしているのに。
この男は何も思わないのか?
注意しないのだろうか?
せめて「そのバックはないよ」と言ってほしい…
ほら、爪はあんなにいつもキレイなんだから
「パンツくらいちゃんと掛けようよ」とか…
心の中で、一人つぶやいてしまう。
彼女に会うと目が離せなくなる。
イヤで仕方がないのにぃ~!
恐いものみたさ?…なのだろうか…。
「あぁ~。・・・ったくぅ~」
心の中で深いため息をつき、視線を彼女からずらした。
………。
ファスナーが全開になり、大きなポケットがだらしなく口を開けた私のバックが膝の上に乗っていた。
慌ててしめると同時に、ワンピースのサイドファスナーも全開なのに気付く…。
彼女は私を映し出す、鏡なのかもしれない…
あいはらこずえ
